金澤町家を直して活用したい

金澤町家再生活用事業(市の補助事業)の概要

 金澤町家の外観の修復や内部の改修により、金澤町家の積極的な再生と活用を目指すもので、伝統的な外観を回復するための修復や復元、柱・梁・基礎などの主要構造部の修繕及び補強や内部改修などの取り組みを支援します。
「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」に定める伝統環境保存区域及び、伝統環境調和区域並びに近代的都市景観創出区域の一部が事業対象区域です。

金澤町家再生活用事業 対象区域図

金澤町家再生活用事業 対象区域図
金石町地区・大野町地区
旧北国街道森本・ 花園地区
二俣・田島地区
湯涌温泉街地区

この区域地図は参考ですので詳細は金澤町家情報館にご確認ください。
※伝統的建造物群保存地区、こまちなみ保存区域、にし茶屋街地区は除きます。

建築物種類 対象となる経費 補助率 限度額
認定金澤町家 店舗等及び旅館業法で
規定された宿泊施設以外
外部修復工事 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 150万円(但し、屋根の改修工事及び内部・内装改修工事はそれぞれ50万円)
内部・内装改修工事
耐震性能診断 その事業に要する費用の3/4以内 30万円
防災構造補強設計 その事業に要する費用の2/3以内 20万円
防災構造整備 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 250万円
 
店舗等
(設備機器整備を伴う場合に限る)
外部修復工事 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 250万円(但し、屋根の改修工事は50万円、内部改修工事、内装改修工事及び設備機器整備は合計して150万円)
内部・内装改修、設備機器整備
耐震性能診断 その事業に要する費用の3/4以内 30万円
防災構造補強設計 その事業に要する費用の2/3以内 20万円
防災構造整備 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 250万円
 
旅館業法で規定された
宿泊施設
外部修復工事 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 300万円(但し、屋根の改修工事は50万円、内部改修工事、内装改修工事及び設備機器整備は合計して200万円)
内部・内装改修、設備機器整備
耐震性能診断 その事業に要する費用の3/4以内 30万円
防災構造補強設計 その事業に要する費用の2/3以内 20万円
防災構造整備 50%(補助対象事業に要する経費の1/2以内) 250万円

※UJIターン該当者は、補助金限度額内での加算枠があります。くわしくは、お問い合わせください。


金澤町家再生活用事業パンフレット

金澤町家再生活用事業パンフレットは、以下のページよりダウンロードできます。
https://digilib.city.kanazawa.ishikawa.jp/doc/90/


金澤町家の再生活用事例

【幸町・簡易宿所】
・大正期に建築された空き家だった町家を宿泊施設に活用しました。 
・古写真を元に出格子を復旧し、アルミサッシを木製建具に改修し、町家本来の意匠に修復しました。

改修前
改修後
改修前
改修後

【香林坊・T邸】
・昭和初期の空き家だった町家を住宅兼アトリエに活用しました。
・鋼板張りの外壁を撤去し、下見板張り、漆喰塗り、シルバーのアルミサッシを木製建具に改修しました。

改修前
改修後
改修前
改修後
改修後
改修後

<所有者様からのコメント>
 1階は1日のほとんどを家内と過ごす場所。床暖房と壁の断熱材のお陰で、雪が降りそそぐ金沢の冬を快適に過ごすことができました。堀コタツから障子越しに裏庭を眺めるのが気に入っています。また、二人ともリモートで仕事が出来る様にとスタジオを作って頂いたので重宝しました。1日の終わりは能登ヒバのお風呂に使って温泉気分を堪能し、素晴らしい金沢ライフを満喫しています。御関係者の皆様、ありがとうございました。
<設計者様からのコメント>
 築90年ほどのこの建物は柱の沈下が生じていましたが、支障がない程度まで修正することができました。断熱性能の向上や新しい機能が加わったことで、まだまだ役に立ってくれそうです。

【安江町・レンタルスペース】
・明治期に建築され、履物卸問屋を営んでいた町家をレンタルスペースに活用しました。
・町家の伝統的な形態をそのままに、屋根瓦、漆喰壁、下見板張りを修理しました。

改修前
改修後
改修前
改修後
改修後

<所有者様からのコメント>
 金沢市からもご支援をいただき改修したこの町家をこれからも保全しながら多くの方々に親しんでいただける様に活用していきたいと思います。
<設計者様からのコメント>
 傾斜が生じた上に設備の古さや規模が大きいことなどが居住や活用を難しくしていましたが、補助金と斬新なアイデアで新しい活用がスタートすることができました。

<工事内容・金額>
 屋根瓦葺替え、外壁下見板張りの上柿渋塗り、漆喰補修、基礎・土台新設、土壁補修 
 工事費 :約1,300万円(内装は別途工事)

【大手町・簡易宿所】
・大正期の近代和風住宅を宿泊施設に活用しました。
・町家の伝統的な形態をそのままに、屋根瓦、漆喰壁、下見板張りを修理しました。

改修前
改修後
改修前
改修後
改修前
改修後

<所有者様からのコメント>
 町家の改修では、往時の趣きを残すためには、それなりの費用が掛かりますが、市の助成制度を活用して、所有者の費用負担軽減となりました。
<設計者さまからのコメント>
 用途変更に伴い広く改修が必要でしたが、外観修繕に加え、水回り改変、床の傾斜修正など全体をしっかりと工事することができました。

<工事内容・金額>
 屋根瓦葺替え、外壁下見板張替え・漆喰塗替え、不陸調整
 工事費:約1,000万円(内装は別途工事)

【野町・貸家】
・昭和初期の空き家だった近代和風住宅を貸家に活用しました。
・一部減築し、町家の元の形態に戻し、鋼板張りの外壁を撤去し、下見板張りに改修しました。

改修前
改修後
改修前
改修後
改修前
改修後
改修前
改修後

【O邸】

改修前
改修後

【S邸】

改修前
改修後

未来へつなぐ金澤町家(解体等の事前届出について)

金沢の歴史や文化を伝える金澤町家は、毎年100件以上が解体されています。
金沢市では大規模改修や解体の計画を事前に市へお知らせいただくことで、1 件でも多くの金澤町家を次世代に継承したいと考え、解体等の事前届出制度を開始します。

どんな建物が対象になるの?

保全活用推進区域の中にある金澤町家について、金澤町家条例に基づき、解体等事前届出制度の対象となります。

金沢市では平成25年に金澤町家条例を制定し、金沢の歴史や文化を伝える金澤町家を大切にしてきました。
金澤町家は昭和25年より前に建てられた木造の建築で、金澤町家が立ち並ぶことで金沢らしい風景を形作っています。

保全活用推進区域はこちらです。

届出を求めるのはかつて城下町の区域であった中心市街をはじめとした金澤町家保全活用推進区域です。
区域内では金澤町家の保全活用を推進するため、金澤町家を本来の姿に戻す改修などに補助が活用できます。

金澤町家保全活用推進区域 (赤い点は平成29年度調査による金澤町家)

区域については「金沢市まちづくり支援情報システム」で検索できます。
ホームページから地図で検索したい場所を表示し、クリックすることでその場所の各種規制等が確認できます。
金澤町家保全活用推進区域が「指定あり」となっていたら区域に含まれます。

届出はどんなときにしなければならないの?

金澤町家保全活用推進区域内で金澤町家を大規模に改修もしくは解体しようとするときは、90日前までに届け出をお願いします。

届出書式等について

届出は届出書式に、場所を示した地図及び現況の建物の写真を添えて届出をお願いします。

届出をするとどうなるの?

計画の早い段階でお知らせいただくことで、利用可能な支援策のご提案が可能になります。
大きく修理補助と、流通支援の2つの支援をご提案いたします。

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