2024年3月12日(火)
山野にはつくし・蕗のとうが芽を出し、街には人の動きが多くなる。
兼六園の梅はほころび、浅野川・犀川の両川の流れは清く春の装いを運ぶ。
人それぞれ想いに違いはあれど春を待つ心に変わりはなし。
今回は、建具について。。
建築物の外壁の開口部あるいは内部に仕切りとして備えられる、引き戸・障子・襖・ガラス戸など開閉式の扉のことをいいます。
2020年、「伝統建築工匠の技・木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。その17分野の技術の1つが「建具制作」です。
昔は、大工さんが建具を入れる部分の枠を作り、その枠に合わせて建具職人さんがひとつひとつ建具制作し現場で削ったりして調整していたそうです。
建具は、人の行き来や採光・間仕切り・防犯だけではなく、インテリアとしての意味も備えています。建具職人さんの腕の見せ所です。
金澤町家情報館の外部建具には蔀戸(しとみど)・古格子(ふるこうし)などがあります。
内部建具には、帯戸(おびど)・筬格子戸(おさごうしど)・堅額入障子戸(たてがくいりしょうじど)などがあります。
漆が塗られ腐食を防ぎ、古いだけではなく受け継がれた美しさがあります。
筬格子戸や堅額入障子戸は一部にガラスが嵌め込まれていて部屋の外の様子が中からわかるようになっています。堅額入障子戸などは冬にこたつに入りながらしんしんと降る雪を眺めてほっこりできるでしょう。
昔は、夏になると涼を求めて建具も夏使用に替えていました。
風通しのいい簾(すだれ)を嵌め込んだ簾戸(すど)に替えていたそうです。
金澤町家情報館も毎年6月ごろから9月末まで簾戸に替えて夏を過ごします。
近年では、なかなか見られない町家ならではの風情ですね。
和室などの床上30cmぐらいに貼ってあるこの和紙を何と言うでしょうか?
衣服やホウキ・掃除機・足などが壁に当たった際に衣服が汚れたり壁を傷つけるのを防ぐ役目があります。
この和紙は、金澤町家情報館の奥の間・茶室・座敷・前二階の畳の部屋に貼ってあります。