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2024年7月2日(火)

【金澤町家コラム】金澤町家の瓦

文月です。
古くは書物のことを文といい、7月7日の七夕の夜に書物を開いて夜気にさらし、
書の上達を祈る風習があったことから文披月(ふみひろげづき)と呼び、略され文月になったということです。
七夕は、日本古来の「棚機津女」(たなばたつめ)の行事と、中国から伝わった七夕伝説、織姫と彦星の話が平安貴族の心をとらえ和歌や漢詩に詠まれるようになり、七夕に裁縫や織物、書道や和歌の上達を祈るようになったそうです。

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金澤町家の瓦がきらきら光っている。ツヤツヤの黒光り。バスの中から眺めるいつもの光景である。。

屋根材としてなじみ深い「瓦」。
「日本書紀」には588年に僧や工人達とともに4人の「瓦博士」が百済から渡来し、「飛鳥寺」を建てたとの記述があるそうです。ずいぶん昔の話です。

江戸時代になると、金沢城の周辺には多くの家屋が建ちましたが、黒瓦は主に寺社や高貴な武家屋敷に使用されほとんどは板葺きか藁葺き屋根だったそうです。そのため火事になると大火となってしまったそうです。

明治に入って、蒸気機関車から火のついた黒煙が飛んで火災が発生することが多くなり、瓦屋根が普及していったとのことです。

金沢の黒光りする瓦は、釉薬を塗り込むことで、水を通しにくくし、変色しにくいそうです。また、焼くことによってツヤのある仕上がりになるそうです。ツヤにより雪を屋根から❝つるん❞と落とす効果もあるそうです。。。瓦の裏にも釉薬が塗られ金沢ならではの黒瓦です。

浅野川大橋を渡るバスの中から眺めるツヤツヤの金澤町家の黒瓦は、いつもの光景だが特別であったようである。

※ 前回のクイズの答え ※

金澤町家情報館2階の茶室の床袖壁の透かしの植物は
        「 瓢箪 」  です。
古来、神霊が宿るものとされ祭具に用いられた瓢箪。
そのくびれは吸い込んだ邪気を逃がさず、末広がりの形は縁起の良いものとされ、お守りや魔除けとして用いられてきたそうです。